江戸がおもしろい!

時代劇が好きです。時代劇ドラマを見てあれ????時代劇小説を読んでフ~~ン。歴史雑学を知ればドラマも小説ももっと面白い

江戸の治安を守るのが同心

 

江戸の治安を守るのが同心。

十手をもって、犯罪者を取り締まって、岡っ引きを使って捕り物をして着流しで町の中を歩いている。

 

これって定廻り同心の格好、イメージですから。

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奉行所南町奉行所(今の有楽町の当たり)と北町奉行所(今の東京駅の当たり)の二つがあって同心が120人ずつ計240人います。

 

それが月番で月ごとに交代で当番を交換して仕事にあたります。

 

今月が南町奉行所が担当なら北町奉行所は来月にというわけなのです。

つまりどちらかは現場に出てこないので常に120人で仕事を処理しなければなりません。

 

驚くべきことがあります。

担当の同心は月ごとに120人ですが、その中で現代でいう警察官担当である同心は定廻り同心、隠密廻り同心、臨時廻り同心の3種類の同心にあたり、それぞれの定員が定廻り6人、隠密廻り2人、臨時廻り2人なのです。

 

どうですか?

計10人ですよ。

 

120人のうち10人が警察担当の同心なのです。

 

この10人で北は板橋、西は新宿、南は品川、東は今の荒川まで担当するのです。

江戸の町は江戸時代初期は確かに人口が少なかったですが元禄期以降はどんどん増えて当時世界を見渡してもなかなかあり得ない100万都市を形成していましたから、たった10人の警察官が治安を守ると言う事がいかに困難なことであったかと想像できるのです。

それゆえ、各同心は配下に手先、目明し、岡っ引き。手下と言われる人たちを使わないと仕事をするなどと言う事は到底無理なわけです。

 

テレビで出てくる着流しに背中に十手を注してさっそうと歩くという同心というのはこの10人の同心のことを言うので、それ以外の同心の働くときの姿は地味な羽織袴姿で普通の大名家に勤める下級武士と何ら変わりません。

 

十手なども持ち歩きません。

 

給料はだれも同じで30俵2人扶持で、これは年収です。

また同心は武士ではありません。

武士と町人の間、卒という身分になります。

 

ただし、定廻り、隠密廻り、臨時廻りの3廻りと言われる人たちは街中を直接見回りをするので、いわゆる付け届けと言う現在では禁止されている賄賂ともいえる別収入があります。

 

当時としてはこれは悪とはみなされませんでした。

 

現在ではこのような付け届けと言われるものは犯罪とみなされ公務員は厳しくなっていますが、現在の倫理観で当時を見るといろいろおかしなことになります。

 

歴史を勉強すると言う事は時代ごとの倫理観も理解しないとその当時の善悪が正しく評価できません。

 

小説を読んだり、ドラマを見ても現代の倫理観でシナリオが描かれるとおかしいと気が付いて初めて時代劇が面白くなるのです。

 

江戸時代は面白い、その当時の人の倫理観を理解するともっと面白い。